EXHIBITION

ARTIST

谷本研 Ken Tanimoto
やんばる旧小学校々歌八景

「はるかにあおぐろっこうの やまふところにいだかれて──」
これは神戸市の山間部出身の私自身が通っていた小学校の校歌の一節です。歌の心を知るより早く〝音〟として刷り込まれ、卒業式以来歌うことがなかったはずなのに、今も記憶の底に残る歌詞を反芻すると、六甲山地を切り開いてできた郷土特有の風景が思い起こされます。
旧塩屋小学校をメイン会場にした本フェスティバルへ参加するにあたり、今年度ついに世界自然遺産に選ばれたことで外からの視線が集まる一方、2016年頃を中心にやんばるの多くの小学校が廃校になったことを知りました。そんな地域のそれぞれの場所で生まれ育ったみなさんの記憶に刻まれる校歌を紐解くことで、やんばるを内側から照射するような作品ができるのではないかと考えました。そして、大宜味村と国頭村の廃校、休校8小学校(津波小、塩屋小、旧大宜味小、喜如嘉小、佐手小、同・辺野喜分校、北国小、楚洲小)の校歌に歌われる風景を〝八景〟に見立てます。
風さわやかな荒磯、照り映える山波、緑したたる森、つきぬ川の流れ、、、素朴な旋律に身を委ねる気持ちで、そこに織り成された地域の誇りとなる風景を発見してください。

画像:やんばる旧小学校々歌八景(下絵)

展示会場

大宜味村立旧塩屋小学校

PROFILE

  • 谷本研 Ken Tanimoto

    1973年 神戸生まれ。1998年 京都市立芸術大学大学院造形構想専攻修了。
    アートとその周縁に関わりながら企画活動を行う。1999年、京都の旅館で開催した「当世物見遊山」展以来、「観光」を通底したモチーフとする。2002年より里山の残る滋賀県仰木のフィールドワークを軸に「地蔵プロジェクト」を展開。2014年からは美術家・中村裕太とともに路傍の祠に注目したプロジェクト「タイルとホコラとツーリズム」を開始、その一環で「やんばるアートフェスティバル2018-2019/2019-2020」に参加した。
    漫画やデザインも手掛け、「ブリコラージュ・アート・ナウ 日常の冒険者たち」(国立民族学博物館、2005)や「Dan Graham: Beyond」(MOCA、2009)図録などに漫画を寄稿。『フランスの色景─写真と色彩を巡る旅」(港千尋・三木学著、青幻舎、2014)、『学校で地域を紡ぐ─「北白川こども風土記」から─』(小さ子社、2020)ブックデザイン。かつて流行した観光ペナントの収集研究家として著書『Pennant Japan』(PARCO出版、2004)がある。

    撮影:麥生田兵吾

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